フロントーサについて(H16/02/22)

 キフォティラピア・フロントーサは、タンガニーカ湖の湖岸線に沿って、幅広く分布しています。生息域によってばらつきはありますが、その多くは水深15m以下の比較的深い岩場に生息しています。若魚はわりと浅いところでも見つかりますが、体長35cmを超えるような成魚は、たいてい水深20mを超えるところでないと見つからないそうです。フロントーサは、群れをなして生活しているのが普通で、上層を泳ぐキプリクロミス属の魚たちなどを餌にしています。
 水槽内のフロントーサもそうですけど、実際タンガニーカ湖で生活しているフロントーサも、動作がゆったりしていて、1つところにとどまっていて、ダイバーが追いかけ回したりしない限り、急いで泳ごうとしないそうです。デーンと構えているというよりはむしろ、無駄な労力は使うまいとしているようにも見えるそうです。キプリクロミス属を食べるのも、日中ではなく、たそがれ時になってキプリクロミス属の泳ぎが緩慢になったのを見計らって食べるとか、日中だったら群れからはずれた年老いたやつを食べるとか、ちょっとずる賢いですね。
 フロントーサは、採取地によっていくらか異なった特徴を持つようです。1番早くから紹介された北部に生息するブルンディは、とにかく大きくなるタイプで、青みは少ないです。養殖も盛んにおこなわれているようで、比較的安価なので、青みさえ我慢すればとてもお勧めのタイプです。とは言っても全然青くならないわけではないですよ。キゴマで収穫されたフロントーサは、バンドが1本多いのが特徴です。ただバンドが1本多い個体はキゴマだけのものではないようで、そのためでしょうか、出所不詳の7bandっていう個体をけっこう見かけます。あとは、南部に行くにしたがって、青みの強いタイプが多くなるのですが、これはタンガニーカ湖の南部では土壌の塩分が溶け込み、かなり塩分濃度の高い水質になっていることが影響しているのではないかと考えられています。ブルーザンビアなどが青いタイプです。青いタイプであり、さらに均整のとれた体型、すらーっとまっすぐ伸びたバンドで、極美なのがザイールブルーで、かなり高い値段で売られています。ザイールブルーほどではないですが、やはり均整のとれたミピンブエも人気が高いようですね。
 水深40〜60mで採取されるフロントーサは、減圧して上げるのに3日間を要するそうです。そんな深いところで生息するフロントーサ、ぜひ大切に育てて、立派にさせてみたいですね!!

フロントーサの故郷〜Lake Tanganyika
接する国 ブルンディ、ザイール、タンザニア、ザンビア
大きさ 南北670kmX最大幅80km
湖岸線 2500km
深さ 1470km(世界第2位)
水面の高さ 773m
Ph 7.5〜9.2
伝導率 約600μs
水面の温度 24〜28℃
水温 23℃
透明度 25m
 東アフリカ・大地溝帯の湖の1つ。アルカリの硬水の中で、魚類たちは、様々な進化を遂げてきた。約320種、シクリッドだけでも180種の魚たちが生息していると言われている。

 

フロントーサの地域変異について
ブルンディ
1960年代からもうすでに、アクアリストの間で普通に飼われていたという、非常に歴史の古い、そして最もポピュラーなフロントーサです。各タイプの中でも、1番大きくなるフロントーサです。ブルーは薄いのですが、調子の良いときは地肌が白銀に輝きとても綺麗です。バンドは乱れていることも多く、時に頭部から3番目の太いバンドが、となりのバンドとくっついていたりします。雄はかなり額のこぶが張り出してきます。とにかく大きなフロントーサを希望なら、このタイプがお勧めです。ヨーロッパでさかんにブリードされているためか、流通量も多く、とてもよく見かけるフロントーサで、比較的安価で買い求めることができます。
キゴマ
7バンドのフロントーサです。上でも述べましたが、7バンドは特にキゴマだけのものということではないようです。キゴマの場合は、さらに体高がわりに低く、額のこぶもあまり張り出してこない、細長いスマートな体型という特徴があります。体のバンドも乱れることなく綺麗に入っている個体ばかりのようですね。目の下にまるでしみでもできたかのような、黒いバンドが出るのもキゴマの特徴ですね。最もフロントーサらしくないフロントーサという感じで、人気が今一つらしく、なかなか見かけることも少なくなってきているようです。
ブルーザンビア
タンガニーカ湖南部に生息する、青いフロントーサです。体型はブルンディに似て、ごっつくてたくましい感じで、額のこぶがかなり張り出してきます。バンドは太くがっしりとしているのですが、乱れたような入り方をしています。青いフロントーサをご希望なら、ぜひ検討してみたい種類ですね。ただ、ザイールブルーのような均整がとれた上品な感じはあまりないですね。青いフロントーサの中では、比較的安価です。
ザイールブルー
メタリックブルーに輝き、最も美しいフロントーサとされることが多いです。若魚のうちから青みが強く出てきます。均整のとれた美しいプロポーションで、他のタイプよりも体高が出てくることが多いです。バンドが等間隔に整って入り、頭部に逆三角形の濃紺色のバンドが入るのが特徴です。このタイプは額のこぶはあまり発達しません。他のタイプよりもより深いところ(水深40〜60m)に生息しています。ブリーディングが確立していないこともあり、かなり高価です。
ミピンブエ
1992年に発見された新しいフロントーサです。フロントーサにしては珍しく活発で、見知らぬ人におじけずくこともないようで、ダイバーが餌の魚を差し出すと、他のタイプなら岩陰に隠れてしまうところを、ミピンブエの場合は近寄ってきて、手からとって食べるそうです。その性格の良さから、このタイプを選ぶフロントーサファンが多いようです。ザイールブルー同様、とても青くなります。目の下に黒いバンドが太く出るのもミピンブエの特徴です。

 

目次へ 戻る 進む ホームへ メール