盆栽飼育について(H15/12/31)


 本来、その魚種が持つ平均的な体の大きさというのは決まっています。例えばアイスポットシクリッドは50cm、レッドテールキャットは120cmなどというように。しかし、水槽など限られたスペースで飼う場合には、小さめで成長が止まってくれた方が都合がよかったりします。また、そう望まなくても、広い飼育スペースを用意してあげなかったせいで、結果的に成長が妨げられたなんていうこともあります。そんなとき、植木の盆栽に例えて、盆栽飼育と言ったりするのです。盆栽飼育って、全く学術的な言葉ではなく、アクアリストの間でいつの間にか広まった言葉だと思います。魚たちをなるべく伸び伸びと育てていこうと考えている人にとっては、そんなこと無縁であり、盆栽飼育なんて何とも不快に響く言葉かもしれません。生き物の本来の成長を妨げるわけですから、この魚、盆栽飼育で飼育してあげてるんだよ、なんて胸を張って言える言葉ではないでしょう。しかし、大型魚の稚魚がなにげに大量に熱帯魚屋さんで売られていて、その子たちが全員、本来の大きさまで育つぐらいの収容水槽が日本に存在するわけはないのですから、一部の大型魚たちは伸び伸びと育つとしても、残りの魚たちは、まあ途中で死ぬか、こっそり池に捨てられるか(こらっ!企んでる人はダメですよ!)、あとは大きい水槽用意できなくて窮屈ながらもかわいがられて育てられているに違いないのです。

 盆栽飼育は悪いことか、なんて議論していたら際限がなくなること確実です。当然、よくないというのが正論でしょうけど、前述のことから考えても、アクアリウムが存在する限り、必ずや出てきてしまう飼育方法だと思います。自然界ではたくさんの稚魚のうちほとんどは途中で死んでいるわけです。それを考えたらたとえ窮屈で変形していても生き延びさせてあげてるんだ、なんて言うと、また議論を吹っかけてきたくなってムズムズしている人が出てくるのもわかっているんです。だからこそ、いい悪いはやめましょうよ。とにかくもうすでに盆栽飼育という飼育方法が存在するとするとして、話を進めていきましょう。盆栽というからには、植木の盆栽と同じで、美しく綺麗な形で仕上げたいですね。

綺麗に盆栽飼育を完成させるには?⇒餌がかなめ
まずは、単純に考えて餌を制限する方法と、狭いところで我慢させる方法の2通りが考えられそうですけど、狭いところで我慢させる方法に頼ると体が変形したり弊害が出てくることが多いです。たとえ狭いところでしか飼えないのだとしても、餌を調節する方法で仕上げるのがよいと、めっちゃんは考えます。
『幼魚期』
生まれてまだ間もない稚魚は、当然まだ弱々しいですよね。しばらくの間は外界で生きていけるように、体全体がうまく発育しなければならない大切な幼魚期だと思うのです。この時期には絶対に餌は制限するべきではないと考えます。例えば、まだ10cmのガーパイクが餌をもらえない状態が続くと、メダカの捕らえ方さえもわからないまま、痩せ細って死んでしまったりします。この時期に十分な栄養がいきわたらないと内臓の働きなんかもうまくいかない状態になることも多いですね。背骨が曲がったりするのもこの時期に多いです。
『成長期』弱々しい幼魚期を過ぎると、大型魚の場合は、これでもかと思うぐらい餌を食べて、どんどん大きくなっていきますよね。弱々しい幼魚期を過ぎたと判断されるあたりから、餌をだんだんに減らしていくのです。例えば幼魚期には1日2〜3回やっていた餌を、盆栽飼育するつもりなのでしたら、1日1回で十分ですし、さらに魚の健康状態をよく観察した上で、週に1〜2回というレベルまで減らしても、大型魚たちは、それなりに成魚に育ちあがってくれるとは思います。窮屈なスペースでしか飼えない可能性があるのでしたら、どんどん餌を与えて変形して死なせるよりは、小さいながらもわりと健康的に盆栽飼育する方が、魚にとっては幸せそうに見えます。(もちろん、小さい水槽しか用意できないのなら、はじめから飼うなというのが正論でしょうけど、、、まあ議論はやめましょう。) 遊泳性があって極端に大きくなるパーチ類などは、長期にわたって飼い続けてる人はきまって盆栽飼育的に小ぶりのまま飼われているようです。大きくしてやろうなんて意気込んで50〜60cmにすると、死んでしまうことが多いみたいなんです。
『成魚期』成長期にめざましい成長を遂げた大型魚たちは、やがて成長が止まります。ただ、哺乳類などは成体になると骨端線(骨が成長するときにまず伸びていく骨の中心部にある線)が閉鎖するので、骨はそれ以上縦方向に伸びることはありえず、体長が伸びることもありえないのですけど、魚たちは、成魚として完成した後も、終生にわたって、少しずつ成長し続けるというデータもあるようですね。この辺はめっちゃん、わからないですね。大型魚なんて寿命が長いですから、10〜20年ぐらい成長期が続いてもおかしくないですからね。まっ、話がそれましたけど、成長がある程度1段落すれば、あとは餌は食べたいだけあげても、もう大丈夫だと思います。

 

 

狭いところで飼育した場合、大型魚たちはどうなるの?
多くの魚の場合、特にあちこちを泳ぎ回る魚ほど、自分はここまでで成長やめとこうと思うのか、意外と水槽の奥行きに達するまでに成長が止まってくれることが多いのです。しかし、実際には餌のせいかもしれません。狭い水槽で幼魚期から餌を制限された場合が、特に小さくて、ちっとも大きくなれないなんて感じになることが多いのです。成長期にかかっても餌を制限しないでいて、水槽の奥行きに達しそうになって急に餌を制限した魚は、奥行き以上になる場合もあるのです。いずれにしても、餌を無理にたくさんは与えずに、比較的小さい水槽で、魚の体長が水槽の奥行きに達しないようにしてバランスよく飼育していくことは可能だと考えます。ちなみに、ガーパイクなどは、狭い水槽で飼育した場合、尾ビレをどうしても曲げて過ごすことが多くなるために、縦方向にすーっと伸びていくことができないって考える人もいるようです。しかし、当然限界もあります。例えばアリゲーターガーもバランスよく盆栽飼育することが可能だといっても、いくらなんでも60cm水槽ではだめですからね。一説によると、野生での体長の2/5にまで押さえることは可能なんだそうです。
90x45cm水槽

ガーパイクやシクリッドなどはUターンするときに、尾ビレがガラスに触れて折れ曲がるような状態になることにより、奥行きより大きく成長しないような気がするのです。

奥行きを超えて、どんどん育ってしまう例外を、2つあげておきましょう!
横方向を向いてじっとしている魚普段じっと横たわっていることの多い魚たち、たとえば大型ナマズ類などは、横方向に横たわっていると、水槽に幅がある場合には、いとも簡単に奥行きを超えてしまうことがあります。このような魚たちには、サイコロ型であまり細長くない水槽がおすすめですね。 90x45cm水槽
60x45cm水槽
120x45cm水槽
体がしなやかに折れ曲がる魚シルバーアロワナやブラックアロワナなど、体が柔らかくて、極端な話、体を折り曲げたりできる魚は、もはや水槽の幅にも奥行きにも左右されないで、どんどん大きくなってしまう場合もありますので、注意してくださいね。


めっちゃんのレポート〜なまずの成長
その2
 
めっちゃん、2匹のレッドテールキャットを飼っていて、1匹の方が盆栽飼育になってしまって、体長20cm程度で止まってしまったと、飼育ノートの34番のレポートで公開しました。前回のレポートは平成14年の9月ですから、またさらに1年3ヶ月経ったことになりますね。20cmのレッドテールキャット、相変わらずとても元気です。餌はヒカリクレストのキャットを特に制限しないで与えているんですけど、体長は少しも伸びていないと思われます。下の写真のオスカーたちはみんな約25cmですから、いかにレッドテールキャットが小さいかがおわかりですよね。

 

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