ダトニオについて(H15/02/16)

ダトニオは、タイ・カンボジア・インドネシア・ラオス・ベトナム・ニューギニアなどの、東南アジアの河川から汽水域に広く分布するスズキ目・マツダイ科の魚です。パーチに近縁と思われます。一般には、次のように5種類に分類されることが多いです。

 

通称名 学名 写真 特徴
シャムタイガー、
カンボジアタイガー、
本ダトニオ
COIUS MICROLEPIS ダトニオ最大種。通常50cmですが、シャムタイガーは60cmにもなり別格とされます。インドネシアのボルネオ島のものも本種と考えられ、下記のスマトラ島のものと区別されて本ダトニオとか、リアルバンドと呼ばれます。
ダトニオプラスワン、
スマトラタイガー
COIUS POLOTA インドネシアのスマトラ島のものは、バンドが1本多く、そのためプラスワンと呼ばれます。成魚になっても比較的スマートで、40cm止まりぐらいのことが多いです。
4バンドナンダス
フォーバータイガー
偽ナンダス
COIUS UNDECIMRADIATUS 1番目のMICROLEPISと生息域が重なっていて、MICROLEPISと区別する意味合いで偽ナンダスなんていう名前が付けられています。各バンドが細く、体色の黄色が鮮やかで、体高が低いのが特徴です。体長は30cm。
6バンドナンダス
メニーバータイガー
COIUS QUADRIFASCIATUS タイ、マレーシアの河口など汽水域に生息しています。他のダトニオと違って体色が銀色です。バンドは6〜9本、不明瞭なバンドが入ったりして変則的です。体高が低く、体長は30cmぐらいです。
ニューギニアダトニオ COIUS CAMPBELLI 体色が多少黄緑がかっていて、体表のきめが粗くザラザラしていて、他のダトニオとは異質な印象を受けます。日本に入ってきたのは1992年以降だそうです。体長40cm。


シャムタイガーとは?

 MICROLEPISは、上記のように、タイ、カンボジアなど幅広く分布しますが、シャムタイガーだけは別格扱いされています。なぜならシャムタイガーであれば、体長はなんと60cmにもなり、体高もより高く、体の厚みもすごくて、重量感のあるすばらしい成魚に成長すると言われているからなのです。過去にシャムタイガーをPULCHER種として別種扱いする動きもあったようですが、現在ではシャムタイガーだろうが、カンボジア・ベトナム・ラオス・スマトラ島のダトニオだろうが、同じMICROLEPISで、学術的には変わりないとされています。

 では、いったいシャムタイガーとはどう定義づけられるのでしょうか。シャム(SIAM)というからには、タイで生息するダトニオのことを言いそうですけど、実際には、タイの特定の地域で採れるよりすごみのあるダトニオのことを言うようなんですよね。具体的に言うと、チャオプラヤ河の上流にあるブンボラペット湖や、タイとビルマの国境の近くのサラウィン河流域なんかが、シャムタイガーの生息地であるようです。

 このシャムタイガーとされる魚は、近年乱獲されるようになって個体数が減ってきているため、タイ政府は輸出禁止にしたそうです。ですから正式ルートではシャムタイガーは日本では買えないはずなのですが、多少の抜け道はどんなところにもあるようで、大型魚が得意な熱帯魚店にはたまに入ってくるのです。

 このシャムタイガー、30cmぐらいのやつだと何と40万ぐらいの値がついています。5〜10cmの幼魚でさえ3万〜5万ぐらいですから、カンボジアタイガーの5000〜1万円に比べたらべらぼうに高いです。それでいて、小さいうちは違いがわからないというのですから、幼魚を買う場合は、お店を信用するしかないですよね。

 そして、このシャムタイガーの幼魚ですけど、ここ1年ぐらいの間に、極端に値段が下がったような気がします。そして、今までみたいに一部の店だけではなくて、けっこういろんな店で見かけるようになりました。でもタイ政府が輸出の規制を緩和したなんて話は聞きません。めっちゃんが思うには、最近出回っているシャムタイガーの大部分は、昔ながらのシャムタイガーではないと思うのです。良心的なお店では、タイ産ダトニオとか、タイ便ダトニオとかいう名前で売っていて、状況を教えてくれます。結局、規制は昔と変わっていなくて、カンボジアやラオス、インドネシア、ベトナムで採れたダトニオがみんなタイに集まってきて、それが日本に入ってきているだけなのだと。ところが最近、めっちゃん、タイのメコン河上流域で採れたという証明書つきのダトニオがお店にいるのを見かけて、びっくりしました。値段もカンボジアタイガー並なんです。これならば信じていいのか。どう見てもタイで作られた証明書っぽいです。疑うとしたらタイの人もぐるになっていると思うしかないですね。

 ちょっと話はそれますが、めっちゃん、タイに遊びに行ったときのことを思い出しました。タイではコピー商品なんていうものがたくさん出回っていました。偽ヴィトン、偽シャネル、偽プラダ、etc. 日本では知的財産権なんていう法律で厳しく取り締まられていますけど、その辺はお国柄、考え方の違いで、多くのタイの人はあまりそんなことにこだわらないのでしょう。真似されても気にならないのかもしれないし、偽物でもどうでもいいやなんて思っているのかもしれません。だいたいブランドを気にしないのかもしれませんけどね。タイの人たちって温和でいつもニコニコしていて、とてもやさしいのですけど、けっこう商売上手かもしれません。日本人はブランド指向で、シャムタイガーにこだわっているなんていうのを利用してしまうかもしれません。笑顔で「これシャムタイガー本物、証明書付き」なんていって、悪気無く、実は大うそなのかもしれません。

 それでは、1〜2年前のまだ高かった頃のシャムタイガーの幼魚は本物か? ということになりますけど、今現在、こんな騙しが通用しているんでしたら、1〜2年前のやつだってあやしいということになりそうです。だいたい、遺伝的には同じ素質で、タイの風土で育つから立派に成長していくのだったら、幼魚はどれを買っても同じということになりますからね。昔は本当だったシャムタイガー伝説も、今では、ブランド指向の日本人を騙くらかす、煙ったいインチキ話に変わってしまったのかもしれません。めっちゃんも、ちょっとこだわって、シャムタイガー、少しだけ高めのやつを買ったんですけど、騙された1人だったのかも。でも5年後、10年後には、めっちゃんの家に60cmのシャムタイガーが泳いでいるかもしれないですから、騙されたと決めつけるのもまだ早いです。


(ウソかホントか)シャムタイガー伝説

【その1】シャムタイガーは、背びれにバンドがまわっていない

【その2】シャムタイガーは口元が尖がっていて目のあたりのラインがくびれている

【その3】5番目のバンドがV字を形成しているのが優良個体の証明だ

【その4】いや、5番目のバンドが途中で切れている方が本当のブンボラペット湖出身だよ

【その5】いや、目玉が横長の楕円形なのがシャムタイガーだ。

【その6】シャムタイガー伝説というわけではないけど、4番目のバンドが頭側にカーブしている方が、大きくなる可能性が高いんじゃない

 

 シャムタイガーについて、みなさんはどう思われますか。いろんな話を聞けば聞くほど、何を信じていいのかわからなくなりますけど、結論として、シャムタイガーと呼ぶにふさわしいような魚は存在するけれども、日本ではまず買えないのではないかということです。シャムタイガー探しにのめりこめばのめりこむほど、ウソの泥沼にはまり込んでしまうかもしれないので気をつけましょうということです。でも例えウソであっても、実際にシャムタイガー、カンボジアタイガーというように区別して買ってきて育てると、違う魚のように思えてしまうから不思議なんですよね。めっちゃんが思うのはシャムタイガーの方が好奇心旺盛で、頭が良いのではないかということなんですけど、やっぱり気のせいなんでしょうね。

 以上、ダトニオの50cmオーバー、欲を言えば60cmをめざしている、めっちゃんでした。でも、シャムもカンボジアも40cmぐらいにはなるはずですよね。めっちゃんとしては、10cmになったときも、15cmになったときも、そして20cmになったときもとても感動しました。今25cmのシャムタイガーが、30cmになれば大感激だし、40cmになったらもう十分と思うかもしれないです。あまり50cmとか60cmとか、今から考えるものでもないですよね。

 今回は言いたい放題、いろいろ書かせてもらいました。書かせてもらった以上、反論や、苦情、お怒りのお言葉など、何でも受け付けます。

 

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