第6章 日本人に人気のあるピアニスト ”ソニー・クラーク”

 今回は、前回解説したバド・パウエルに引き続き、めっちゃんのお気に入りのジャズピアニスト、その第3弾として、ソニー・クラークをとりあげることにします。めっちゃんのイメージしているソニー・クラークをめっちゃんなりに書きますので、普通言われていることとは違うところもあるかと思いますけど、あしからず。もしこれを読んでソニー・クラークに関して興味を持った方がいましたら、本とかでもっと詳しく調べてくださいね^^

 題名にもあげましたとおり、ソニー・クラークは日本人の間ではとても有名なピアニストです。なぜ日本で有名になったかと言いますと、戦後欧米の文化が入っていく中で、あちこちにジャズ喫茶が出来ましたが、そこでソニー・クラークのアルバムが非常によくかかっていたからなのですね。もちろん、よくかかっていたということは、ジャズに精通したマスターのお気に入りのアルバムだったのか、あるいはお客からのリクエストが多かったのでしょう。とにかくソニー・クラークのクール・ストラッティンなどは、どこのお店でも1、2を争うぐらいよくかかっていたナンバーだそうです。もちろん、めっちゃんはジャズ喫茶通いなんかした覚えはありませんよ(@@)/ う〜ん、時代が違う違う^^ でもめっちゃんが小さい頃には、駅前の路地などにまだジャズ喫茶があり、中から蛇を呼ぶ笛の音が聞こえてくるようないかがわしい雰囲気のお店とかの前を通ると、妙に興味を持ったのを覚えています。

 さて、日本で一躍スターとして認められたこのソニー・クラークは、実はアメリカではほとんど知られることのないままに、ついに29才の若さで一生を終えてしまったのです。彼は麻薬常習者だったので、クラブ出演の許可がおりなかったのですね。演奏の機会がないのだから、知られなくてもしょうがないですよね。すばらしいものを持っていながら生涯を通じて認められなかったソニー・クラーク、とてもかわいそうな気がしてしまいますけど、まあ生前はパッとせず死後初めて有名になるのって、偉人にはよくあるケースなのでしょう。

 日本でベストセラーになったソニー・クラークのアルバム『クール・ストラッティン』は、アート・ファーマー、ジャッキー・マクリーンとの競演で、どちらかというとソニー・クラークは、華やかなトランペットやサックスを影で支える伴奏の役割を担っているように思えます。同じく『ダイヤル・S・フォー・ソニー』『ソニーズ・クリブ』などのアルバムも、ソニー・クラークは、伴奏の名手をつとめます。しかし、ソニー・クラークのピアノはただの伴奏とはわけが違うのです。曲に躍動感を生み出し、その曲をファンキーな曲に仕上げてしまうのです。ソニー・クラークは金管といっしょの編成では、けっしてでしゃばりません。常に脇役でおとなしく抑え気味のピアノなのに、なぜかソニー・クラークの参加している曲は、ソウルフルな雰囲気いっぱいになってしまうから不思議です。ジャズピアニストって、ソロとかトリオの編成では名演奏が多いのに、金管といっしょになるとなぜか埋もれてしまう人が多いと思いませんか。あの天才バド・パウエルにしても然りです。伴奏のときは伴奏の音色になってしまっています。しかしソニー・クラークは違う。金管に混ざって心地よく聞こえてくるソニー・クラークのピアノの音色は、曲をカラフルに仕上げるパステルのようなのです。めっちゃんにとっては、こんなところが、ソニー・クラークの魅力ですね。


 さて、それでは、めっちゃんのお気に入りのアルバムを紹介することにしましょう。上で金管との競演のすばらしさを述べたのにさからうようなのですが、ソニークラークのピアノそのものを純粋に味わえるアルバムとして、トリオ編成の、次の2つのアルバムをあげておきます。

@ソニー・クラーク・トリオ(タイム版)
 同じ名前でブルーノート版もあるのですが、めっちゃんはこちらのアルバムごひいきです。なぜか時々、無性に聞きたくなることがあって、たまに部屋に流しているんですよ。ソニー・クラークのアドリブにしては、このアルバムの演奏はいささか軽快でハイテンポな気がしますが、そこがいいのかな。重苦しくてとてもBGMなんかにはしにくいソニー・クラークのアルバムの中では、わりと気軽に部屋に流しやすい曲がそろっているとめっちゃんは思うんですけど、どうでしょうか。

Aブルース・イン・ザ・ナイト(ブルーノート版)
 ソニークラークの魅力って何でしょう? めっちゃんはその1つに、わびしくて、けだるい感じのする退廃的な?響きのする和音をあげたいと思います。シングルトーンのきらびやかな美しいアドリブの間に垣間見せる、さびついたブレーキのような、きな臭い感じの和音がたまらなく好きなのです。このアルバムはそんなソニー・クラークの魅力がたっぷり味わえます。オリジナルの小曲が多いこのアルバムは、珠玉の名曲ぞろいです。真冬の凍りつくような夜も深まり、いよいよ少し空が明るくなってきたあたりに聞くと、なぜか泣けてくるんですよ。ひょっとするとこのアルバムは未公開盤なので、今は廃盤になってるかもしれませんけど、また発売されたらぜひ聞いてみてくださいね。
タイム版ソニー・クラーク・トリオ


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